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ロックの部屋

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STROKES

ストロークス『ROOM ON FIRE』



確か昨年のロッキングオン誌が選んだベストアルバムはストロークス『ROOM ON FIRE』だと思いました。NO2はレディオ・ヘッド『HAIL TO THE THIEF』だったか。

正直ストロークス如きのバンドは一介の中堅バンドにしかすぎないのではという認識でいたのですが、ちょっと驚きでした。サマーソニック2003のライブステージでも大物振りは感じられなかったし………客の乗せ方上手というよりは、音の心地よさで酔わせていた感じでした。楽しかった事は事実でしたが。

そこで思った。ロックンロールはいつの時代でも健在で、嘱望されているものだと。乾ききったロックンロールへの欲望はつきることがない。クリアーでシャープでとろけるロックンロール。鈍くて重くて贅肉がだぶついた年長ロックンロールでは満足出来ない。もう【ローリングストーンズ】の新譜を心待ちにしたり、期待することもない。彼らは充分仕事をした。

ストロークスはそんな気にさせてくれたロックンロールバンドだ。ジュリアン・カサブランカスのヴォーカルは艶めかしいし、リードギターのとろける音色は心地よい。どうすればこんな気持ちの良いギターが鳴らせるのか、ギターリストだったら解説したいところだけど説明出来ないのが悔しい。

ニューヨークのバンドの特徴的な、余分な残響音をそぎ落としたデッドでシンプルなロックンロール。そして単調さを補う歌メロ、これがあるから飽きないのだと思う。

70年代の【テレヴィジョン】もこれに近い音をしていたけど、スピード感と疾走感がやはり違う。これが2000年代のロックンロールだと思う。「REPTILIA」なんか特徴的に思えます。アルバム中一番人気の「12:51」ですが、これはギターがとろけてます。気持ちよさ200パーセントであります。「THE WAY IT IS」と「THE END HAS NO END」ではツインギターがフィードバックしているのか、ハモっているのか迫力満点でございます。この2曲の流れが特に素晴らしいです。

ストロークスに似通ったロックンロールをやるバンドは知りませんが、2番手3番手が現れても魅力は感じないかもしれないし必要がないかもしれない。早い者勝ちだったという事も言えそうな気がしますが、どうでしょうか?

新世代ロックバンドと言われているらしいですが、私にはレトロぽくも聞こえます。10代20代の人達には新鮮なのでしょうか、この音は。

                       (2004-11-17記)


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